吉備地方文化研究所シンポジウム
2023-02-09
下記の要領で吉備地方文化研究所のシンポジウムを開催しました。
シンポジウム 人文知のトポスⅦ「室町の文芸を語ろう!」
日時:2023年2月4日(土)13:00~16:10
場所:D101教室(オンライン形式も併用)
内容:
報告1 川上 一(慶應義塾大学大学院生)
「室町将軍と文芸―足利義政の和歌を読む―」
報告2 辰田芳雄(東京大学史料編纂所研究員)
「室町?戦国期における禁裏着到和歌の展開」
報告3 川口成人(日本学術振興会特別研究員)
「細川京兆家『御太刀?御こしの物注文』の基礎的考察―刀剣贈答と室町文化―」
川上報告は、足利義政の詠んだ和歌を収集?整理し、その特徴と生涯における画期を探ったものです。これにより、政治の面では消極的な評価が下されることの多い義政の、より多様な側面が明らかになりました。辰田報告は、後土御門天皇以降の禁裏着到和歌について、新出の資料もまじえて整理したものです。特に禁裏着到和歌が、連日のように催される和漢?漢和聯句会や連歌会と複合的なものであったことが指摘されました。川口報告は、細川京兆家(本家筋)に伝来した刀剣の入手や贈答の過程を明らかにしたもので、伝奇的に語られることの多い刀剣の由来とはまた違った文化史上の意義が指摘されました。
報告後には質疑応答の時間が持たれ、芸能の場や参加者の問題、個別の和歌の意味、詠者の筆跡などについて、活発な議論が行われました。
※写真上段は、左から川上報告、辰田報告、川口報告。下段は左から会場の様子、質疑応答の様子。